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日本におけるデジタルプラットフォームと競争法


#【第1部 プラットホームと競争法】

### モデレーター:トーマス・チャン(香港大学准教授)
### パネリスト: 泉水文雄(神戸大学教授)リャン・ホウ(上海交通大学教授) アンネ・ソフィー(パリ・何テール大学教授)
### コメンテーター:アントニオ・カポビアンコ(OECD競争課 Senior Competition Expert)


## 概要
(1)日本の独占禁止法は、「私的独占」「不当な取引制限」「不公正な取引方法」「企業結合」を規制している。
  今回のスピーチでは、私的独占と不公正な取引を中心に取り上げられた。

(2)公取委等は、デジタルプラットフォームと競争法の問題についての報告書を積極的に公表している。
 CPRC報告書(2017)、経産省公取委総務省有識者会議中間報告案(2018)等がある。


(3)公取委の調査事件には、企業結合、排他条件付取引、MFN条項等がある。
 amazonに対する事例(MFN条項)、Appleに対する調査(スマホに係る契約)がある。

(4)当事者から出された問題解消措置等により調査が終了する事例が多く、
 本格的な分析がなされた事例は乏しく、課題が多い。


## 不公正な取引方法による規制の現状と課題
公取委は、DeNA事件を除き審査を終了し、排除措置命令を出さなかった。
公取委は、デジタルプラットフォームに対して課徴金を課したこともない。
・確約手続きが施行前の状況にあり、確約手続きが施工されれば(2018ねん12月施行)、
確約手続きにとった事案と考えられ、排除措置命令を出さなかったと考えられる。  

・これらは、二面市場、反競争効果、効率性などを正面から検討していない。

・私的独占等では、エンフォースメントに課徴金が用意されており、今後私的独占の事件が出てくることが期待される。
 その後、排除措置命令、課徴金納付命令が出されれば、市場画定、反競争効果、効率性などをどのように分析するかが
 争点になる事になる。


## パネルディスカッション

# 【相対的な市場支配力を乱用するプラットホームサービスは規制すべき?】

トーマスチェン:経済的な商材を乱用しないためには、経済競走を使うべき?
アンヌ:経済的な従属性、乱用があるかどうかが問題になる。

トーマスチェン:効果ベースで合意形成すべきという意見があるが、排他的取引を禁止するとこの利点とは?    
リャン:相対的な市場支配力の乱用について、これが許されるかという議論があった。
    最終的に下された決定は、相対的な市場支配力の禁止を先延ばしにした。
    フランス・ドイツ・韓国・日本では禁止している。しかしまだ限定的にしか禁止していないそうだ。
    中国に関しては規制面ではまだ新しい国であるため、このような議論の多い分野においてはまだ検討すべきと思っている。
    相対的な支配力の影響をもう少し観測てみる。

    オンラインショッピングサイトが行うセールスキャンペーンは、フリーライド問題が挙げられる。
    中国のパオパオは11/11に「独身の日キャンペーン」を行う事で、大量消費を促している。
    しかし他のオンラインサイトが11/11に同じようなキャンペーンを行う事で、流れに便乗することが出来てしまう。
    ただし、基本的に大手サイトでしか購買されない事が多い為、結局勝てるのはパオパオの様な大手サイトに限る。
    これは相対的な市場支配力を乱用しているという事になる。

# 【競合の存在はイノベーションの発生において重要な存在である。】

リャン:インターネット業界は、勝者が全てをかっさらってしまうという特徴がある。
    これは「マルチホーミング」をする事で解決できる。
    プラットフォーマー間の競争については、現状ではまだ独自の役割があると思っている。
    インターネット業界は独禁法の面で言うと、競合の存在はイノベーションの発生において重要な存在である。

    イノベーションGoogleのような大手が生み出しているような印象が確かにあるが、
    インターネット業界においては、小さなサービスの存在が思わぬシナジーを生むケースが多い。
    したがって、インターネット業界には多様性が価値を生む。
    その面において、小さなサービスを保護する事はイノベーションの為に必要事項になる。


アントニオ:勝者が全てをかっさらう問題について、その通りだと思う。
    ただし一方で、インターネット市場は新陳代謝が早い。
    したがって新しいGoogleFacebookが出てくる可能性があるから、次のサービスが阻害されることを規制しなければならない。

トーマス:ネットワーク効果という事とは別に、プラットホームについてはどうか?
    プラットホームは、「ゲートキーパー」の役割を持っている。
    たとえばこれはスーパーマーケットと同じで、お使っている品目が多い程に有利になるだろう。
    Googleが独り勝ちしている理由は必ずしもネットワーク効果のみに起因していない。
    プラットホームに関して、他に何か特別な物を必要としているのでしょうか?

アンヌ:それに関しては分からない。
    勝者が全てを取っている事について許容できる部分もあると思う。
    ただし、レバレッジ効果については注意しなければならないと思う。
    経済の中でもリッチなプラットホームが出てくるという事は、危険な側面を孕んでいる。
    GoogleAmazonは新たな業界に参入している為、ほかの業界を浸食する危険性がある。

泉水:農作物を販売するプラットホームが二面市場になってしまう。
    仲介型ネットワークのプラットホームだとレバレッジ効果が働く。
    また、データが大量に集まるため、これの利用は「非・仲介型プラットホーム」が集めやすい。
    この場合はうまく利用する事によってある意味優れたサービスを展開でき、レバレッジが働く。

リャン:プラットホームの特別な点については、他の特徴もあると思う。
    ①非常に事業のサイズが大きい。競争の規模も大きい。
    ②歴史的に見てプラットホームには、TeleCommの様な大きなものが出てきて、それはボトルネックをコントロールしてきた。
     ただし公共の予算から始まったTeleCommは、国からの規制がかけられている。
     対照的に、ネットワークのプラットホームは民間から始まったため、殆ど規制が無い。
     つまり、民間から始まったプラットホームに規制を書けることが出来ない。

    したがってプラットホームには特別な規制が必要である。


# 【支配力を獲得する為には市場シェアはどれほど必要になるのか?】

トーマス:プラットフォームの市場支配力を考えた時に、財務規模、データ規模が支配力に繋がるだろうが、
     支配力を獲得する為には市場シェアはどれほど必要になるのか?
     因みに無料提供型のプラットフォームもあるが、構造上価格が無い事は問題になるのか?

アントニオ:ここでの問題は、客観的に比較できる院試が無い事だ。たとえばいつルールを適用すればよいのかが分からない。
     測定するのが難しいのが課題である。

アンヌ:市場確定の面で必要になると思う。TwitterとFBとLinkedInが同じ市場ではないという部分がキーになる。
     市場をどう確定するか?

泉水:サービスの質を測定するというアイデアはよく聞く。サービスの質が向上していると、それは支配力があるとみなせるのではないかと。
     ただしをれを評価する事も難しいので、結論、難しいとおもう。
     多分、Googleが検索サービスや広告を武器にしているのだから、ケースバイケースで細かく見ていかなくてはならないのだと思う。

リャン:インターネット業界の市場支配力の評価というのは、イノベーションの回数で評価できる。
     

 


#【第2部 個人情報保護と競争政策】


## EU個人情報保護法について
今年の5月に大幅な変革が行われた。
EUデータ保護指令からGDPRになった。

### 目的:基本的人権の保護
法益が崇高なものなので、罰則も厳しい。

### GDPRは日本国内の日本企業に対しても適用される。
・大阪のサーバーが欧州に住んでいる顧客からデータを提供してもらう場合は、GDPRが適用される。

### 欧州のGDPRのポイント
・域外適用
・外部委託先への適用
・データ保護、影響評価
・第3紺へのデータ移転制限
・個人の権利程強化
・データ保護、責任者の設置
・データ侵害時の通知義務
・高額な制裁金

### まとめ
GDPRは守ろうと思っても守れないくらい厳しい法律。
企業では法務部だけではなく、企業全体で遵守に取り組んで欲しい。